配属を考えている方へ

この研究グループで活動した学生さん達がこれまでにどんなテーマに取り組んできたか、

また配属された場合どんなスキルが身につくかを紹介します。博士後期課程に進学した場合に想定されるテーマについても述べます。

グループミーティングの様子

これまでの卒業研究のテーマ

●各種オンチップ・イオントラップの開発

   等間隔配列、2次元配列など、これまでできなかった新しいイオン配列を実現するためのトラップの設計と実装

●オンチップ・イオントラップ駆動のためのフィルタ回路作製

●オンチップ・イオントラップ性能向上のための要素技術開発

●イオンの運動制御ーパラメトリック共鳴を利用した余剰マイクロ運動検出法の開発

●2次元イオン配列によるナノフリクションモデル実装のためのシミュレーション

●高安定レーザーの開発 

  光ファイバーを用いた狭線幅な外部共振器型半導体レーザー  

●ナノ光ファイバーとイオンとの結合系の研究(京都大学・竹内繁樹教授との共同研究)   

 

これまでの修士論文のテーマ

●等間隔イオン配列のためのトラップ開発

   イオンと光との結合系、超放射レーザー、光クロック、量子シミュレーションなど様々な応用において重要な等間隔イオン配列を生成

●2次元イオン配列のためのトラップ開発

   世界初の2列配列を実現。

●量子シミュレーションのための高磁場勾配生成オンチップ・イオントラップ

   微小な磁石を組み込んだオンチップ・イオントラップを作製しカルシウムイオンのゼーマンスペクトルを利用して磁場勾配を測定 

 

ドイツ滞在のテーマ

  これまでに4名の大学院生がドイツ物理工学研究所(PTB)やハノーバー大学にに滞在し研究活動をしてきました。

●オンチップ・イオントラップ素子の作製                 

   当グループで設計したデバイスをPTBのクリーンルームで研究員の指導を受けながら作製しました。

 

●トラップ電極のノイズ低減のためのアクティブフィルタの製作

●2次元イオン配列用駆動回路の位相制御

●ベリリウムイオンのサイドバンド冷却用光源システムの実装

習得できるスキル

●レーザー、各種光学素子の知識と取り扱い

●Mathematica, Python, 電磁界シミュレータなどによるシミュレーション

●Labviewによる制御系構築

●電気回路製作

●国内外での学会発表によるプレゼンテーション能力

●論文執筆能力

博士後期課程で想定されるテーマ

●超放射レーザーのための複数個イオンと光との結合系の構築

 原子イオンの集団的な自然放出を利用して現在の原子時計の限界を超える超放射レーザーをめざした研究です。

●2次元イオン配列によるナノフリクションモデルの実装

 当グループだけが実現できているイオンの2列配列を、原子レベルでまさつ力の起源と制御を探究するナノフリクションモデルに適用します。      マイクロマシンなどにおけるまさつ力の低減に応用できれば省エネルギー化につながります。

●2次元イオン配列の振動基底状態までの冷却

 2次元イオン配列ではイオンの振動モードも1列配列とは大きく異なります。2次元イオン配列を量子情報処理に応用するための基盤技術の開発です。

●集積化量子インターフェース 

 オンチップ・イオントラップは基板上に作製されるもので光集積化回路との相性がいいのが特徴です。 量子情報処理の大規模化に不可欠な原子イオンと 光との結合部を集積化し、量子デバイスとして機能させます。